うさぎはもう、負けない時代なのかもしれない
〜絵本と運動会から考える、現代の“走り方”〜
どうも、ライフスキル・ナビゲーターの新井幸平です。
公務員をしたり、育児をしたり、失敗と学びを繰り返したりしています。
今日は、「うさぎとかめの絵本」と、運動会で見たある光景から、
今の時代における“スピード”と“継続”について考えた話をしていきたいと思います。
この話のきっかけは、5歳の子に「うさぎとかめ」の絵本を読み聞かせたとき。
読み終わったあとに、こう聞かれたんです。
「なんで、かめさんが勝ったの?」
でも、その聞き方には、ちょっとした違和感がにじんでいました。
実はその前日、兄の運動会を見に行っていて、
800メートル走を間近で見たばかりだったんです。
そこで見たのは、先頭集団が誰一人歩かず、止まらず、
最後まで全力で走り抜ける姿。
だからこそ、うちの子は言ったんです。
「前の子たち、止まってなかったよね?
うさぎが途中で休むなんて、おかしいよね?」
…これを聞いたときに、僕の中で「たしかにな」と思うところがありました。
今の時代、“うさぎが休む”なんて、実際はほとんどない。
たとえばSNSでも音楽の世界でも、
うまく“波に乗れた人”って、そのまま走り続けていく。
ここでちょっと補足すると──
「波に乗る」っていうのは、“バズる”とはちょっと違います。
バズは一瞬。
波に乗るっていうのは、その流れに自然にフィットして、継続的に加速していくこと。
バズったあとも走り続けられる人、それが本当の“波乗りうさぎ”。
そういう人たちは、
応援されて、注目されて、
さらに「すごいね」って言われて、
その声をエネルギーにしてもっと加速していく。
そうなると当然、チャンスや“運”も集まってくる。
これは、たまたまじゃなくて、
**“走り続けてるから見つけてもらえる”**ということなんですよね。
だから僕は、子どもにこう話しました。
「いまの時代、かめさんが勝つのはむずかしいかもしれない。
うさぎさんは、もう止まらないんだよ。
応援されながら、どんどん前に進んでる。」
とはいえ──
「じゃあ、かめさんには意味がないの?」って聞かれたら、
ぼくはこう答えます。
意味は、ある。
確かに時代の流れは早いし、先行者がどんどん走っている中で、
かめさんは追いつくことができないかもしれない。
でも──
地力をためる力、ぶれずに歩き続ける力、
そして“壁にぶつかったときに立て直せる力”は、かめさんの強さ。
つまりね──
うさぎさんは、勝ち続けるかもしれない。
でも、走り続ける中でどこかで壁にぶつかったとき、
かめさんの“コツコツ力”が、そこを乗り越える鍵になる。
今の時代、一番強いのは──
うさぎのように走れて、かめのように耐えられる人。
そして僕らは、自分の中のどっちの要素が強いかをちょっと意識して、
必要ならもう一方の力を取り入れていけばいいと思うんです。
絵本『うさぎとかめ』を子供に読んでみて、
うさぎはもう負けられない時代だなぁと気づかされた時間でした。
このブログでは、暮らしや働き方に役立つ生きる力、ライフ・スキルを届けています。
なにか参考になれば嬉しいです。
(文:ライフスキル・ナビゲーター 新井幸平)
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